4画面の雑記帳

思ったことをつらつら書いてく雑記帳

アルセウスクリアしました ~ヒスイ地方ともののけ姫~

これはマジで名作

 

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1週間ちょいかけて「Pokémon LEGENDS アルセウス」をエンディングまでクリアし終えました!

クリア後イベントなどあるのでまだまだ遊び倒すつもりですが、ひとまずの区切りになりますかね。初代からずっと遊び続けているポケモンですが、今作は史上稀にみる傑作と言っていいと思います。

 

www.pokemon.co.jp

 

冒険の舞台はやがてシンオウ地方と呼ばれることになるヒスイ地方。大雑把な括りではシンオウ地方の過去編とも言える形になっています。今作で自分が最も良いと感じた点は世界観の作り込みでしょうか。主人公にとっては新しい土地でありながら、歴戦のプレイヤーであれば先を知っているからこそ起こる推理のような感覚はリメイクとも違う不思議な感じが味わえたなと。シンオウ地方(未来)とヒスイ地方(過去)、2つの世界を俯瞰できるのはプレイヤー視点だからこそですよね。

舞台が同じと言っても時代的には本当の本当に開拓時代。「ポケモンは怖い存在です!」の一言に集約されているように、村の人々は厄災の1つ程度の感覚。実際にフィールドに出てみると最序盤から野生ポケモンの猛攻に合います。こっち1匹しか出せないのに3匹で襲い掛かってくるな!ここはポケモンの世界だぞ!?あ、ここもポケモンの世界だったわ、みたいな事をよく言ってた記憶あり(笑) これはフットワークを意識して変えると1対1に持ち込めたりするので基礎練習めちゃ大事でした。

 

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体が大きくレベルも段違いに高い「オヤブン」と呼ばれるポケモン達。こいつらは完全に「もののけ姫」でいう所のモロの君か乙事主です。

 

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もののけ姫」に登場する乙事主は知能も高くひと際巨大なイノシシで、一族を率いて海(九州→本州)を渡りシシガミの森へ人間を倒しに来る存在でした。

 

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ぱっと見で体長6m、肩高3m以上はありそうです。木々の後ろに控えているイノシシの戦士たちと比べても半端ないサイズと言えるでしょう。乙事主の有名な台詞に『モロ、わしの一族を見ろ!みんな小さくバカになりつつある。このままではわしらはただの肉として人間に狩られるようになるだろう』というのもがあります。老齢に見える乙事主ですが、彼が若いころは皆巨大で知性も高かったとのこと。人間が太刀打ちできる範疇を明らかに超えてますね...。

しかしこのパワーバランスを崩す手段を人間は手にしました。火薬・火器の存在です。作中で明確に石火矢(火縄銃の原形)によって殺された勇敢なイノシシ「ナゴの守」の描写は壮絶なものでした。火矢の一斉射をものともせず森を荒らす人を蹴散らすナゴの守、これを打ち破ったエボシ御前の石火矢衆。最終的に致命傷を負ったナゴの守は死への恐怖と怨念によりタタリ神となって暴走するわけですが、タタリ神になった理由の一つとしては乙事主も指摘する「人間に狩られる恐怖」が重要だったと考えます。

現代の豚はイノシシを家畜化した姿です。乙事主やナゴの守にはこうした未来の一端が見えていたのではないでしょうか?種の保存・繁栄は約束されるとしてもそれはあくまで人間優位の主従関係。それを共存・共栄と理解して是とするのはなかなかに難しい選択かと。

 

さて話をポケモンに戻します。オヤブンポケモンを始めとし、知能や能力の高いポケモンが今作にも登場しますが、彼らはモンスターボールを手にした人間に対してどのような感情を抱いていたのでしょうか?ポケモン世界では捕獲=死ではないにしろ、モンスターボール登場のインパクトは石火矢とほぼ同義です。

冒頭で世界観の作り込みがすごいと書きましたが、これだけハードな種の生存競争を描きながら死に対する描写をほとんど持ち込まなかった世界観とシナリオチームがすごいという感覚です。ポケモンの場合は最終的に「話せばわかり合える」「食用ではない」あたりが重要になって来てますね。アルセウスだったり神話の世界の知恵あるポケモン達は人間に対して(試練は与えるが)寛容ですし、モンハンの様に食用や素材用に狩猟する描写を持ち込んでいない。ポケモン図鑑を見る限り、ポケモン同士の捕食関係はあるものの、人間が好んでポケモンを捕食する描写は無いんじゃないでしょうか?

シナリオチームが紙一重でうまく話を運んでくれたおかげでCERO-Aを保てています。ありがとうシナリオチーム!

 

とまぁこんな感じでハードな内容を可能な限りマイルドに娯楽ゲームに落とし込んだ「Pokémon LEGENDS アルセウス」。こんなこと考えながら遊んでいる人は稀有だと思いますが、普通に遊んで楽しい作品なので購入するか悩んでいる方には買って損無いとお勧めしておきます。

 

ではでは