4画面の雑記帳

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海外ドラマ「Breaking Bad」Season1観終わりました

めーっちゃ面白い!

 

 

2週間前から見始めたドラマ「Breaking Bad」のシーズン1まで観終わりました。

第1話視聴後の感想はこちら↓

4gamen-blog.hatenablog.com

 

シーズン1は全7話構成となっており、かつては優秀な化学者でありながらも現在はお世辞にも優秀とは呼べない街の高校教師ウォルターがドラッグ製造というヤバい道へと舵を切っていく様がガッツリ描かれていました。

ドラマの導入となる第1~3話までは表の世界で生きてきたウォルターがドラッグビジネスという裏の世界へ足を踏み入れてしまったことへの動揺や混乱、自ら手を汚すことへの倫理的葛藤が中心に描かれます。

しかし、第4話「家族への告知」以降はドラマの焦点がウォルターの狂気じみた変貌に当てられているように思えました。

 

自身に宣告された余命2年の肺がん(ステージ3A;リンパ転移)、その診断と治療にかかる莫大な医療費、延命治療とホスピスケアの選択、家庭内の孤立、そしてドラッグ製造という活躍の場を得て捨てられないどころか一層高まる化学者としてのプライド等々...。

第1話に登場したウォルターは田舎の高校で化学教師として緩やかな消耗を続けるだけの50歳男性でしたが、シーズン1を締めくくる最終7話の彼は抑えきれない野心を持ちつつもギャングと冷酷な交渉が可能なヤバい奴へと変貌しています。その原因はどれかと言われれば上述の要素全てが絶妙に絡み合ってしまったからとしか言いようがありません。この辺りは監督と脚本家の腕の見せ所でもあるのでしょうね。

 

ウォルターは余命宣告されたことによって自暴自棄になった無敵の人かと言われると、愛する家族へ金を残したいという世間との繋がりがありすぎる。しかしその家族の繋がりをに注目すると、独善的で話を聞かない妻スカイラー、父である自分よりも叔父を慕う息子ウォルターJr、妻の妹で病院勤め(+万引き癖がある)マリー、マリーの旦那で義弟に当たる麻薬取締局のハンク

いやー、もうこの面子だけでお腹いっぱいですわ()

「発言者を決めて順番に本音を言い合いましょう」とスカイラーが言い出して始まった家族会議も、マリーがホスピスケア派に回った瞬間にブチギレて自らルールを破棄するスカイラーさんめっちゃ怖かった...。

そしてこの家族会議で最も印象的だったのは話題の中心であるところのウォルター本人が発する「Choice(選択だ)」という一言でした。振り返って見れば人生の中で自ら選択したと呼べるものは何一つなかった、だから最後の選択は自分にさせて欲しいと訴えるウォルターの言葉は重い。

もちろん家族に向けた治療方針の宣言でもあるはずですが、ドラッグ製造へとさらに踏み込む決意表明の様な意味もあったのでしょう。

 

この家族会議後のウォルターは吹っ切れ方がヤバいです。

ドラッグ製造のパートナーとなったジェシーとのパワーバランスは完全にウォルター優勢となるものの、販路拡大を求めてあたり一帯のドラッグ売買の元締めである大ボストゥコジェシーが半殺しにされたと分かれば雷酸水銀を袋詰め(!?)にして殴り込み、アジトを爆破させつつ交渉成立(しかもジェシーをボコった分の慰謝料まで勝ち取った)。

さらなる大規模生産のためにトゥコとの交渉で先行投資を引き出し、原料不足で納品が間に合わないと分かれば化学工場の分厚い鋼鉄のドアをテルミット反応で焼き切って原料調達(強奪)。

 

そうはならんやろ!?(なっとるやないかい!)

 

お前は山月記で虎になりはてた李徴か何かか?

臆病な自尊心と尊大な羞恥心に加え、虎どころか山ごと吹き飛ばすほどの才覚を発揮してしまったウォルター君…。

 

第7話「犯罪の境界線」では酒と葉巻とドラッグは何が違う?少し前の時代なら酒も葉巻も全て違法だったとハンクに問い詰めますが、これは葛藤と言うよりも純粋な議題として頭に浮かんだような演技でしたね。次の第8話からはシーズン2となりますが、今から先の展開に期待大です。ペースはゆっくりになると思いますが、この先も視聴してきたいですね。

 

ではでは