4画面の雑記帳

思ったことをつらつら書いてく雑記帳

夜想令嬢を考察しようの会

どうも、4画面です。

今回は 夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE- の考察をしていきます。生放送で考察を進めながらこちらのページにアイディアや仮説を羅列して随時更新していく形式になるため、まとまりの無い状態が続く可能性がありますが、そこはご容赦ください。物語自体が好きな上に考察のしがいがある構成だったため、5thライブまでには何とか自分なりの仮説を完成させたいと思っています!


※ご注意※
 ・普段のポケモン記事とは微塵も関係ない話です。
 ・アイドルマスターミリオンライブ MTG05 をドラマパート含めて全て
  ご視聴いただいている前提の記事です。ネタバレ回避したい方にはお勧めしません



1. 夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE- とは?

アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』
THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 05 の副題、また、登場人物4名で構成される新ユニットの名称。ミリオンライブ内のキャラクターが演じる劇中劇ではあるが、ドラマパートには既存アイドルのキャラクター性を一切出さず、本物の演者によるドラマが堪能できる。

 ミリオンライブで過去にリリースされたLTA(THE IDOLM@STER THE@TER ACTIVITIES)シリーズも劇中劇ではあったものの、こちらは既存のキャラクター性を存分に打ち出した構成になっている点で大きく異なる。登場人物の名前や性別まで世界観の全てを独立させるのはアイドルマスターシリーズでも異例中の異例(たぶん初)。一方、ミリオンライブシアターデイズのイベントストーリーでは、練習風景や舞台裏など、既存のアイドル達としての一面も見ることができる。好き(語彙力皆無)。



2. 主な登場人物

エドガー
 本作の主役格の1人。過去に母親を物盗りに殺されており、治安の悪い村で生き抜くために男と偽って生活している。男装女子。物語の中盤で瀕死の重傷を負うが、バンパイア化する選択により一命をとりとめた。約束の地を目指して旅立つ。

クリスティー
 貴族の娘のような豪華なドレスを身にまとったバンパイア。見た目は少女だが、性別は男。女装男子エドガーとの出会いにより虚ろな日々は一変するが、瀕死のエドガーを救う為バンパイア化させてしまう。物語の謎に迫る重要人物。

アレクサンドラ
 地方貴族の娘で退魔の力を持つとされる。過去に両親を殺され、妹のノエルがバンパイア化する事件に巻き込まれており、人とバンパイア、親の仇と護るべき存在について耐えず苦悩する。バンパイアハンターとしてエドガーらと遭遇。

エレオノーラ
 辺境伯夫人の顔を持つバンパイア。物語の後半では人間であった頃の不遇な過去も語られるが、現在軸ではアレクサンドラ邸を襲撃するなど悪女としての側面が強く描かれる。クリスティーナと並んで物語の謎に迫る最重要人物の1人。

ノエル
 アレクサンドラの妹。元人間だが、エレオノーラによってバンパイア化させられた。非常に強大な力を持つらしいが、エレオノーラの持つ眠りの香で眠らされている。

男のバンパイア
 人だった頃のエレオノーラの前に現れた正体不明のバンパイア。作中ではその正体、目的、その後の経緯などについては一切触れられていない。

ルカ
 エドガーと同じ村に住む子供。おそらくエドガーと同じ程度の年齢。物盗りで生計を立てることに抵抗感はなく、クリスティーナを狙ってナイフを突きつけた。

辺境伯
 国境付近の警備を任される大貴族で軍隊を持つ。現在軸でのエレオノーラの旦那。

愛しいあなた
 エレオノーラが人だった頃の回想シーンにて語られる人物。エレオノーラの旦那と考えるのが妥当だが、本名や素性に関しては一切不明。

アンジェラ
 エレオノーラが人だった頃の回想シーンにて語られる人物。エレオノーラの子供でまだ一人では何もできないくらい小さかったらしい。リリースイベントでは「アンジェラ」は天使の意味を込めた愛称で本名ではない、と複数の声優陣が発言しているので恐らく公式裏設定。


3. 物語の舞台背景
 物語から読み取れるいくつかの要素から舞台背景の手がかりを探してみましょう。まず、登場人物の1人である辺境伯とは、中世ヨーロッパのフランク王国(左図の緑色の領域)から始まり、5~19世紀頃まで長く続いた貴族階級(Markgraf)の日本語訳。地理的に国境の塗り替えが耐えず続いており、辺境伯は独自に国境警護軍を指揮する上級貴族階級にあたる。"フランク王国国境付近のどこか"が舞台で問題はなさそうです。

 時代設定に関しては、まずミリシタのステージに映る石造りの城に注目。これは12世紀以降の建造物で、それ以前は壁で囲われた集落に近いとされている。また、アレクサンドラが王政の腐敗を糾弾する台詞から、王政の地方支配力が弱まった9-13世紀頃が濃厚。騎士階級が権力を維持しているのも13世紀中盤までなので整合は取れている。ここまでを統合すると時代設定は12-13世紀と考えて良さそうです。


4. 物語の相関図



 登場人物が出揃ったところでドラマ中の相関関係を整理してみたのが上の図。細かくなっていますが、全体的な動きや関係性を書き込んであります。この図を作りながら感じたのはエレオノーラの占める割合の大きさ。夜想令嬢に始めて触れた時点ではメインの4人の中では一番出番少ないなと感じていましたが、実のところエレオノーラの一生を綴った物語に思えます。

 それと言うのも、この物語はエドガーとアレクサンドラがそれぞれ語る2つのシナリオが物語中盤でクロスする構成になっていますが、肝心のエレオノーラはアレクサンドラ側でしか登場していません。エドガーにとっては顔すら知らない存在で、影薄く感じるのも無理はないのかもしれません。観測者をエドガーとアレクサンドラに絞ることで全体の謎を深めている構成が面白いです。(エレオノーラの回想シーンで丸々1章使ってますが)

 また、クリスティーナに関しては確定情報がほぼ無く、エレオノーラとクリスティーナの関係性によっては物語の方向性が180度変わってきそう。この辺りを重点的に考察したいところですが、まずは時系列が古いシーンから動きを追っていきます。

 時系列的に最も古いのはエレオノーラの回想シーンでしょうか。エドガー達の居る現在軸からどのくらい前の話なのか気になります。このシーンは完全にエレオノーラの回想に頼っており、また、その本人も記憶が曖昧。疑えば疑うほど仮説が立てられる部分となっていますね。
 登場人物は左図の5人。曖昧な部分が多いので箇条書きで整理しながら進めます。

・エレオノーラと愛しいあなた、アンジェラの3人は城で暮らしていた。
「この城は呪われている。バンパイアが居るんだ」という声と共に城が人間に襲われた。
・「夫とアンジェラは殺されてしまった。殺したのは人間だった」(エレオノーラ談)
・エレオノーラはどうやって逃げ出したのかも記憶が曖昧
・気づいたら人々が倒れていて、エレオノーラの前には
1人のバンパイアが立っていた。
・「復讐したいか?」と聞かれ、考えるよりも早く頷いていた。
・それからのことは上手く思い出せない。

・「あの子やあの人の事をすっかり忘れてしまっていた」ほど時間が経っている。

 どこまでが真実なんだ????(本音)

 深読みガチ勢なので旦那やアンジェラが本当に命を落としているのかすら疑っています...。特にアンジェラは敢えて本名を伏せていることからも生存ルートあるのでは?
 また、エレオノーラをバンパイアにした「男のバンパイア」については敢えて男と断言している点が引っかかります。クリスティーナが女装男子のバンパイアなので、伏線を無駄なく使うならココしかないのでは?とさえ思えます。さらに、この男のバンパイアが居合わせた理由は何でしょうか?人間達を扇動した、人間たちから助けに来た、たまたま通りかかっただけ等様々な説が考えられます。

- 疑問点 -
・男のバンパイアの正体、その場に居合わせた理由
・アンジェラの正体、その後の生死


 時系列的に次に来るのがアレクサンドラ達の屋敷が襲撃されたシーン。登場人物は左の6人。このシーンについては物語終盤で襲撃犯が自分だと自白していますが、供述はエレオノーラだけ、観測者がアレクサンドラ視点だけなので実は不明瞭な描写がたくさんあります。こちらも起きたことを箇条書きで整理してみましょう。

辺境伯とその夫人(エレオノーラ)がお忍びの狩りで、一晩の宿を求めて屋敷を訪れる。
・アレクサンドラとノエルも歓迎するが、体の弱いノエルは早々に部屋へ戻る。
・夜更けに屋敷に「化け物がいる」と騒ぎが起きて混乱状態へ。
・アレクサンドラはエレオノーラの悲鳴を聞いて部屋へ駆けつける。
・駆け付けた部屋ではエレオノーラが「やめて、噛まないで!」と叫んでおり、恐ろしい牙を生やしたノエルがうなされている。
・エレオノーラからノエルはバンパイア化していると説明され、眠りの香で眠らせた。
・両親を失い妹もバンパイアになってしまったアレクサンドラに対して、エレオノーラは後見人になると行って都へ連れ出す。

 このシーンで一番気になるのがエレオノーラが屋敷を訪ねて来た理由、そして、両親を殺害した理由です。屋敷を訪ねて来た理由を中心に仮説を3つほど立ててみました。(仮説番号はScene番号に沿って2からになっています。)


仮説2a:ノエルが強力な力を秘めていると知り、バンパイア化する目的で屋敷を訪れた。
 →エレオノーラは強い力を持つバンパイアだけが生きる王国を作ることが目的だと発言しており、強力な力を秘めたノエルをバンパイア化する目的で屋敷を訪れたと考える仮説。ただし、目的を達成するためだけであれば両親の殺害に意味はなく、また目立つ城主を殺害する理由が見当たりません。両親がノエルをかばって殺害されたのであればノエルの横に倒れているはずで、アレクサンドラが目の当たりにしていてもよさそうなものですが、そうした描写はありませんでした。
 また、たまたま飢えをしのぎたかっただけであれば城内の目立たない人間を襲えば良いだけに思えます。また、せっかく狙い通りにバンパイア化させられたのにわざわざ眠らせた理由もいまいち理解できず疑問が残ります。

仮説2b:アレクサンドラの退魔の力を配下に置く目的で屋敷を訪れた。
 →弱いバンパイアを淘汰する力としてアレクサンドラの退魔の力を目に付け、配下に置く目的で屋敷を訪れたと考える仮説。後見人の座を得るために邪魔な両親は殺害、妹想いなアレクサンドラの性格ならエレオノーラは人質として役に立つと考えてバンパイア化したのではないでしょうか?
 「魔を祓う剣の使い手」の噂は聞いていたが「女性だとは思わなかった」という発言からも散々探し回ったように見えます。しかし、それだけ苦労して手に入れた力にしては物語後半の扱いが雑過ぎるように思えます。自分の正体について追及されればあっさりと自白し、また、ノエルがメインでアレクサンドラはあくまで駒としているならいるで良い、くらいの扱いです。わざわざ遠征してまで手に入れる駒としえは動悸が薄い気もします。

仮説2c:アレクサンドラ達の両親を殺害する目的で屋敷を訪れた。
 →このシーンで明確に死んだとされているアレクサンドラ達の両親殺害こそが目的で、ノエルやアレクサンドラの件は偶然見つけたおまけだったと考える仮説。仮説2aでも触れた通り、ノエルやアレクサンドラが狙いであるならば、エレオノーラにとって周りの人々を差し置いて目立つ城主を殺害するメリットが無いんですよね。。。
 そこでエレオノーラは「強い力を持つバンパイアだけが生きる王国」を作るため、弱いバンパイアは淘汰されるべきと言っています。ならば狙って倒すのは弱いバンパイアであり、両親のどちらか、もしくは、両方がバンパイアだったと考えるのはどうでしょうか?
 エレオノーラ以外にも人間の世界に生きるバンパイアは多いが力の強弱は様々で、噂を聞きつけては似たような手口で倒す or 強ければ仲間に引き込む。今回の一件も野良バンパイアを狩りに来たら思いがけず強力なバンパイアの素質を持つノエルを見つけた、さらに退魔の力を持つアレクサンドラも配下に置くことができた。でも本来の目的は達成したからそこまで固執していない。そう考えると少し納得できる気がしており、自分としてはこの仮説2cを推しています。


 続くScene3はやや時間軸が進み、主役格のエドガーとクリスティーナが始めて出会うシーン。舞台の場所は辺境伯の治める領地の中でも貧しい街。季節は肌寒さを感じる秋~初冬くらいでしょうか。
 このシーンに関してはミスリードらしい描写も無く、素直に受け止めて良いと感じていますが、起きたことを箇条書きで整理してみましょう。
・仕事終わりのエドガーが行き止まりに繋がる道端でクリスティーナを見つける。
・クリスティーナは豪華なドレスと装飾品を身にまとい、いかにも貴族の娘と言った容姿。
・「ここは危険だ」と忠告するエドガーに対し、「優しい人ですね」と笑って流すクリス。
エドガーと別れた直後に強盗目的の暴漢が現れクリスティーナを襲う。
・クリスは暴漢を返り討ちにする。クリスティーナの正体はバンパイアだった。

 この後エドガーとクリスティーナは再会、その後もちょこちょこ会っているっぽい。ミリシタイベントストーリー中ではエドガーの性別が女(男装女子)であることはルカとの事件で初めて発覚するが、ドラマCD中では再開後のどこかで偶然知ったとなっている。この変更の意図が汲めないがひとまず保留(ご意見募集中)



 時間軸的にはScene3の少し後(季節が変わるほど時間は経っていない程度)。アレクサンドラの台詞から空白期間の様子が伺えます。Scene 2と違い、エレオノーラがノエルを明確に人質として扱っている点も気になりる所。アレクサンドラのチョロイン具合を加味しても、かなり大胆に煽ってますね。ここでも起きたことを箇条書きにしていきます。

・「あれから数年の月日が過ぎた」「ノエルを人間に戻す方法はいまだ見つからぬまま」
・”また”罪もない人々がバンパイアの毒牙にかかったとエレオノーラが語る。
・国王が辺境伯にバンパイア討伐の勅命を命じ、アレクサンドラにも協力を要請。

・アレクサンドラは「飢えた民の怒りを腐敗した王政から逸らすのが目的だろう」と一蹴。
エレオノーラも「民の血をより多く吸っているのはバンパイアでなく私たち貴族」と返す。
・バンパイアを「不浄な化け物」と表現するエレオノーラに対して不満なアレクサンドラ。

・ノエルの眠る部屋は「華やかで香しいのに、とても嫌な香りに思える」らしい。
ノエルは起きることも有るが、夢の中でまどろんでいる状態。
・ノエルへの想いを振り払うかのように部屋を出るアレクサンドラ。
 「私は一振りの刃だ」「命じられたままに敵を討つのみ」
 「これまでも、そして、これからもだ」


 深読み勢としてはこのシーンにも様々な疑問が浮かびます。エレオノーラは”また”罪もない人々が~と語り、アレクサンドラも慣れた感じで返しているあたり、バンパイア騒動はそう珍しい事ではなさそうです。建前だとしても国王勅命の軍が動かせる程度には一般的。他のシーンでも一般市民の間に飛び交う噂として十分な認知度がありそうです。ですが、退魔の力を持つアレクサンドラに実戦経験はあるのでしょうか?後述のScene 7で詳しく考察しますが、実はアレクサンドラが実戦未経験説を推しています。

 また、アレクサンドラが眠ったノエルに語り掛けるシーンですが、この時のノエルは果たして起きているのでしょうか?二人の台詞を聴き返してみると会話のキャッチボールが無いんですよね…。どちらかの発言に反応して返すというやり取りが無く、全て独り言で成立してしまうように聞こえます。特に直前のアレクサンドラとエレオノーラのやり取りが噛みつき合いだっただけに対照的な描写が印象的。
 個人的にはアレクサンドラは一方的に眠ったノエルに語り掛け、ノエルはノエルで半分眠った夢の中で会話した気分になっている、という説を推しています。見た目以上にアレクサンドラの心はダメージを負っている、というか負わせたい(クズ思想)。配役が千鶴さんっていうのも二面性?を感じさせます。



 時間軸的にはScene4の直後か数日後くらい。クリスとエドガーが再会を果たしてからの時間は不明だが、親密度は高く、エドガーが女装男子であることをクリスは既に知っているようです。ここまで独立して進んでいたエドガーとアレクサンドラの物語が初めて触れる重要なシーン。情報量多いですが、起きたことを箇条書きにしていきます。

街角で人買いに連れ去られる人を目撃し、介入しようとするエドガー、制止するクリス。
・腐った大人たちに嫌気が差し、いつか亡き母に聞いた約束の地を目指すと言うエドガー。
いつか旅立つ時は「お前(クリス)も一緒に連れていってやるよ」と言うエドガー。
・これに対し、 「そうではありません
...そうではなく...」と言い淀むクリス。

・アレクサンドラが討伐軍の1人として登場。ここは危険だと忠告に来る。

追いはぎ目的でルカがクリスに接触。クリスには前から目をつけていたらしい。
・クリスの反抗的な態度に対して腹を立てたルカがナイフで刺そうとする。
エドガーが咄嗟にクリスをかばって刺される(致命傷らしい)。

・ルカは「ざまあないぜ」程度の感覚。この町ではこうしていかなきゃ生きていけない。
「この子(エドガー)に傷をつけましたね?」と言ってクリスはルカに手を出す。
「最後の慈悲です。せめて全て奪う前に殺しておいてあげますね」
・クリスはルカに噛みつき血を吸う。ルカの暴漢仲間は逃げ出す。

・ルカの血を吸ったクリスはまだ息のあるエドガーに問いかける。「時間がありません。今すぐ選んでください。ここで死ぬか、もう二度と死ねない体になるか。」「お願いエドガー。今すぐ選んで」。
エドガーは「俺は生きたい」と返事。これを聞いたクリスはエドガーをバンパイアにする。
・「ようこそ、エドガー。終焉のない私たちの世界、バンパイアの世界へ。」



 町の女性が人買いに連れて行かれ、介入しようとするエドガーとそれを制止するクリス。単純にこの世の不条理を描き、エドガーから約束の地の話を引き出すための一幕のようにも見えますが、クリスティーナの人買いに対する反応は淡泊すぎるようにも感じます。クリスティーナは身元不明のキャラクターで、バンパイアとして長い時間を生きている為、過去に人買いと関係があっても不思議ではありません。力が弱い時期があれば買われる側、金があるなら血を吸う人間を買っていた時期があったかもしれませんね。
 エドガーの語る「約束の地」と言うのも物語の中では重要なキーワード。エドガー自身も「夢かもしれない」としながらも、「何もないよりマシ」と考えており、物語の最後には二人で約束の地を探す旅に出ています。実際にその地があるかどうかは別として、物語を動かす動機にはなり得ているようです。その「約束の地」を探しに行こうと言うエドガーに対し、言い淀むクリス。この時点ではクリスに関する情報がほぼゼロ状態。
 ここでアレクサンドラが登場。辺境伯夫人より命を受けたバンパイアハンターだと名乗り、通りの向こうには辺境伯夫人の軍が居るから安心だと告げていますが、辺境伯軍と辺境伯夫人軍は別物なのでしょうか?アレクサンドラを祀り上げるための形式的な軍なのか、直接スカウトした精鋭部隊なのか...。物語に直接関係はなさそうですが気になります。
 
 アレクサンドラが去ると次はルカが登場。当初は追いはぎ目的で殺すつもりは無かったようですが、クリスの反抗的な態度に腹を立てナイフを突きつけ、かばったエドガーが刺される結果に。個人的にはこの後の行動順が非常に気になっています。この後の行動は

1.刺されたエドガーよりも先にルカに手を出し、慈悲と言いつつもほぼ無情に血を吸う。
2.エドガーの元へ戻り感情へ訴えかけるように生きたいかの問いかけをする。
3.「俺は生きたい」との返事を確認した後にエドガーをバンパイアにする。

 この順番です。ちょっと違和感を感じませんか?もしエドガーを助けたい一心ならば、ルカの事は適当に追い払い、一刻も早くエドガーの手当てをするのが先決ではないでしょうか?バンパイアらしさを出すために悠長に血を吸っている場合では無いんです。事実、エドガーに対してクリスが投げかけた最初の言葉が「時間がありません」。そう、時間がないはずなんですよ。では何故すぐに助けに行かなかったのか?これについて仮説を立ててみました。

仮説5a:人間をバンパイアにするには他人の命と本人の了承が必要である。
 →突拍子もないように感じるかと思いますが、色々と考えた末の仮説です。この物語の中で人間がバンパイア化したのは3回(エレオノーラ、ノエル、エドガー)。いずれの場合もバンパイア化する直前に他の死者が出ています。また、ノエルに関しては状況不明ですが、エレオノーラとエドガーの場合はバンパイアになっても良いか?と言う内容の問いかけが付いていました。状況の全く異なる2人にしては、不可思議な共通点とも言えないでしょうか?
 この仮説を前提にルカとの一件を振り返ると、こんな流れになるのではないでしょうか?

1.エドガーが刺された(致命傷で時間が無い)
2.エドガーを助けたいクリスはルカの命を使うために真っ先にルカの血を吸った。
3.時間が無いにもかかわらずクリスはエドガーからバンパイア化の了承を得る質問をした。
4.了承が得られたので痛みを伴うバンパイア化を実行した。

 バンパイア化はとても苦しいらしく、エドガーも悲鳴を上げています。しかもクリス曰く耐えられる保証はないらしい。と言うかバンパイアなんて言葉が一度も出てきてないのにバンパイアになってる。えっ、やり口が怖すぎる...。詐欺まがいだよ...。もしかしたら時間が無いと言うのはルカの(他人の)血を吸ってから時間が経つと命の移し替え?が困難になるというクリス側の条件もあるのかもしれませんね。
 エレオノーラの時も「復讐したいか?」と聞かれ、考えるよりも先に頷いていたらしいです。バンパイアはNoと言えない状況を作るのが上手い。描写が無いのでさらに飛んだ推論になりますが、ノエルの場合は両親が先に殺され(血を吸われ)、何かしらの問いかけが有った後にバンパイア化されたのかもしれません。口先の良く回るエレオノーラのことなので、アレクサンドラがどうなっても良いのか等と聞けば頷いてしまうかも?さらに、アレクサンドラの観測したノエルの姿は苦しみ唸っているノエルであって、実際にエレオノーラに襲いかかったかどうかは不明です。エドガーと同じくバンパイア化の苦しみで悲鳴を上げていただけの状況をエレオノーラが脚色して伝えたと考えると、Scene 2の状況もしっくり来ます。

 ここまでがScene 5についての考察となります。ぶっ飛んだ仮説ですが如何でしょうか?ご意見お待ちしております。




-----------↓ここから考察中-----------


 時間軸的にはScene 5の1週間後。アレクサンドラの読んでいる調査報告でこの町ではバンパイアと思われる騒動が1週間起きていないとのこと。逆に言うと1週間空けば珍しいと言えるほどに不審死が頻発していたのでしょうか?ルカも言っていましたが、この町では大して珍しくもないんですかね。登場人物は左の3人。行動を箇条書きしていきます。

・「先週の件(ルカの一件?)以来、バンパイアのものと思われる被害報告は無い」
・バンパイアが都を出て行ったかとも考えるが気になることがり部屋を出るアレクサンドラ。

・飢えで弱るエドガーとそれを支えるクリス。
・2人は1週間血を吸っておらず、代わりに農園にいる鶏の血で渇きを癒す。
「クリスだって望んでバンパイアになったわけじゃないと話してくれただろう?」
エドガーが人を襲わない限りクリスも人の飲まないと約束している。
・バンパイアも幸せに暮らせる「約束の地」へ行こうと提案するエドガー。
・しかしクリスは「私には罪があります。私と共に旅に出れば、あなたも命を狙われることになるでしょう」と拒む。

待ち伏せしていたアレクサンドラが登場。
・子供の姿に動揺するが「ノエルのため」「バンパイアだから」と言い聞かせて剣を取る。
エドガーは「本当はナイフなんて使いたくない」と言いながらも応戦。
・「人に戻れぬバンパイアは生きていてはならない」と叫ぶアレクサンドラ
・「俺は好きでバンパイアになったわけじゃない!俺たちは生きたい!バンパイアだって幸せになっていいはずだ!」と返すエドガー。
・ノエルの存在、幸せとは何かを考え、苦悶するアレクサンドラ。

「俺(エドガー)もクリスも人を襲ったりしない」と宣言するエドガーに「人を襲わないという言葉に嘘偽りはあるまいな?」と問い返すアレクサンドラ。クリスは「神に誓って」と返す。
・これを聞き二人を逃がすと決めるアレクサンドラ。ただし約束を破れば地の果てまで追い詰めると念を押す。
・逃がしてくれることのお礼にアレクサンドラに「あること(辺境伯夫人エレオノーラの正体について)」を教えるクリス


 この世界のバンパイアは鶏の血でも飢えを誤魔化す程度は可能だが、人間の血を飲むよりかはかなり飢えるような印象。描写の中ではエドガーだけが弱っているように見えますが、エドガーとクリスに体力差のようなものがあるのでしょか?心労は激しそうですが。。。
 また、血を吸うときは吸い切ることしかできないのでしょうか?人間側からの拒絶は免れられませんが、献血的なイメージで複数人から少しずつ吸うことで死者を出さずに共存する選択肢があってもいいように思えますが、そのような描写はありません。物語の構成的に過激な二者択一を迫っていますが、エドガーにはぜひ誰も傷つかない「約束の地」に一番近い選択肢として永い刻の中で考えてもらいたいところですね。

 さらに、ここまで全く描写の無かったクリスの過去についてさらっと触れるエドガー。クリスも望んでバンパイアになったわけではないとの事ですが、この情報もクリス→エドガーの一方通行的な情報なのでどこまでが真実か分かりません。また、「何故」「誰に」命を狙われているのかも不明なまま物語が進行するため、例えば"クリスが黒幕で全部作り話"などの説すらまかり通りそうで怖い...。全てが嘘では無いにしろ、真実以外にも嘘や隠し事を含んでいると考えるのが妥当では無いでしょうか?ひとまず保留で。

 話の核に迫ろうとする部分で待ち伏せしていたアレクサンドラが登場、話をさえぎってしまいます。そこはもう一息だけ話を引き出してくれ野村ァァァ!!互いに本望で無いはずなのに剣を交えるアレクサンドラとエドガー。「俺たちは生きたい!~」の流れはエドガーとアレクサンドラの鬼気迫る演技、緊張感を高めるBGMもあって鳥肌が立ちました。良い...。
 互いの苦悩がぶつかり合うも、最終的にアレクサンドラは人間を襲わないことを誓わせることで2人を開放すると決めます。この時、クリスも自ら「神に誓って」と発言します。バンパイアも神に誓うんですね?人間の崇める神と同じ?バンパイアの神?それとも何かの比喩表現でしょうか?この辺りはクリスティーナの持つ背景によって大きく左右されそうですが、こちらもひとまず保留で。
 そして、クリスはアレクサンドラに対し「逃がしてくれることへの礼」として辺境伯夫人エレオノーラの正体を伝えます。この物語中にエレオノーラとクリスが会話するシーン、それどころか視界に入るシーンすらありません。なのに正体を知っている。エドガーと出会うScene 3よりも前にそれなりに深い関わりがあったと考えて良いでしょう。Scene 1-2の登場人物をおさらいします。











 余談ですが、クリスティーナが女装男子であることはエドガーに伝えているらしいですね。リリースイベントで声優陣から発言のあった「クリスティーナの性別の詳細についてはアイマス的に”NG」らしい。アイマス的って何????SideMも十分認知されている現段階で男性アイドルNGっていうのは無いだろうし、もともとダークファンタジー系の物語で殺す殺されるといった要素がNGという訳でもない。今後の商業展開があるから言えませんと言った感じではなく、本当に言えないんですといった悲し気な表情が印象的。謎。










 時間軸的には恐らくScene 6の直後。直情的な性格に見えるアレクサンドラのことですので、エレオノーラの正体を聞いて一晩待つことはないでしょう。
 この物語のクライマックスに当たるシーンの登場人物は3人、と言うかほぼ2人です。シンプルすぎる構造ですが、最終盤でも疑問点が多く残ります。起きたことを箇条書きにしていきましょう。 
エレオノーラの元へ向かうアレクサンドラ。
・エレオノーラは自分の正体についてあっさりと認めて自白する。
「たとえバンパイアでも(これから作る)私の王国に弱い血脈は不要」
・アレクサンドラには淘汰の為にバンパイア狩りを命じた。
ノエルは強大な力を持っており、その力はまるで「私の愛し子」と表現。
・ノエルをバンパイア化し、アレクサンドラの両親を殺したのもエレオノーラだと自白。
・ノエルを人質に取っているエレオノーラは余裕の態度。

・エレオノーラはアレクサンドラもバンパイアにして姉妹共に生きれば良いと提案。
・アレクサンドラはこれを拒否。エレオノーラに剣を突き立てる。

・「え...?嘘...どうして...?」
 「そう、アレクサンドラ、あなたはそうだったの...知らなかったわ...」
 「愚かな子。バンパイアの永遠の時を、我が悠久を拒むなんて」
 「後悔するわよ、アレクサンドラ。せいぜい足掻きなさい。この苦しみの世界で。」

この時点でアレクサンドラも「貴様、何を言っている?」と真意を汲み取れていない様子。
エレオノーラの死体は血の一滴すら残さず灰となって風に消えた。
・アレクサンドラは「これがバンパイアの死」と驚いたようなつぶやきを残す。


ノエルを起こしに行くアレクサンドラ。
・ノエルは「悪い夢を見ていたようだ」と言う。
・「ノエルには私(アレクサンドラ)が付いている。これまでも、これからも」




王国とは?バンパイアの力はどうやって分かる?

エレオノーラの余裕の態度は何?一切身の危険を感じていかのような描写。

過去に討伐した経験が無いのでは?





 

 時間軸的にはScene 7の後。2組とも場所を転々とする程度には時間が経過しているようです。それぞれの行動を箇条書きしていきます。

旅に出たエドガーとクリス。弱るクリスとそれを助けるエドガーは、花を育てて暮らす街に付く。約束の地に咲く花は枯れないのだとエドガーは言う。

アレクサンドラとノエルは、辺境伯夫人を殺した罪で国のお尋ね者となっていた。
・バンパイアとして乾きに苦しむノエルが人として生きられる安息の地を探すのが問題。
・さらにアレクサンドラは独り語る。
 「私はこの期に及んでなお理解していなかったのだ。お前がバンパイアであるという事を
...
賞金稼ぎがアレクサンドラを狙って襲撃したところをノエルが返り討ちにする。
・その後、アレクサンドラが起きてこれに気付く(初めてではない?)。
「お姉さま、今日まで私のことを守ってくれてありがとう。これからは私がお姉さまを守ってあげるわ。ずっと、ずーッとよ。」




 Scene 6で罪があるから旅には同行できないと言っていたクリスがあっさり旅に同行しています。互いに飢えで弱った姿の描写があっても他者から狙われるような描写は一切ありませんでした。これは命を狙う何者かが居なくなった、もしくは、命を狙われる理由がなくなった等の状況変化があったからではないでしょうか?では何かあったのか?Scene7でエレオノーラが死んだこと。これに尽きると考えて仮説を立てました。

仮説8a:クリスティーナはエレオノーラに命を狙われていた。
 →







最後のシーンでノエルとエレオノーラの笑いが被る演出の意図は?アレクサンドラから見て重なって見えただけなのか、意思が受け継がれたのか?







-----------↑ここまで考察中↑-----------




その他

タイトルの ”GRAC&E NOCTURNE” の&って何?

 タイトルとユニット名を兼ねたGRAC&E NOCTURNEという名前。CEの間にあるが気になるところ。ストーリーや登場人物から連想するならばChristina&Edgarがまず思いつきます。悠久の時を彷徨うクリスティーナがエドガーに出会うことで始まる新しい旅立ち、という出会いの意味を持たせたなのかもしれません。

 別の観点からも考えてみましょう。「GRAC&E NOCTURNE」を単純に和訳するなら「優雅な夜想曲」といったところでしょうか?ここで夜想曲が音楽用語と言う点に着目してみると、E-NOCTURNEと言う区切り方にも見えてきます。実は「昏き星、遠い月」がE-major(ホ長調)で構成されており、「ホ長調夜想曲」と言う意味を持たせているのかもしれません。ホ長調の特徴としては、他の調に比べて明暗の対比を表現しやすく、「絶望に満ちた、あるいは全く死ぬほどの悲しみを比類なくよく表現する。全く途方にくれ、希望のない恋愛上の事態に最も適している。」Wikipediaより)とのこと。ほとんどストーリーそのものを表しているようにさえ見えてきます(笑)

 自分としては上記2つのダブルミーニングだと考えていますが、いかがでしょうか?ご意見をお待ちしております。



Prelude と Overture

 ドラマパートの始まりと終わりに位置する「Prelude(前奏曲)」と「Overture(序曲)」はどちらも最初の曲というイメージがあります。少し調べてみるとPreludeは開幕のチャイムのような扱い、Overtureは物語の第一節としての扱いになることが多いようです。
 「旅を始めた日の事は昨日のことのように覚えている」というクリスの語りで始まるPrelude、ノエルの覚醒と共にアレクサンドラに訪れる破滅的な未来で締めくくるOverture。エドガーやアレクサンドラのような人間から見れば劇的な出来事でしたが、永い永い人とバンパイアの物語はまだ序章に過ぎないといったメッセージでしょうか?先述のNOCTURNEと合わせ、音楽用語を絡めたメッセージが随所に隠されているのが印象的でした。



装飾品の意味

 夜想令嬢のメインイラストやCDジャケットで4人が着ている衣装(ブランエノワール)にも注目してみましょう。装飾品別に上から見て行きます。


衣装名    :ブランエノワール=blanc et noir=フランス語で白と黒の意味らしいです。
 
カチューシャ :バンパイアから連想されるコウモリ羽がモチーフか。
 
左胸の赤い薔薇:位置的に心臓がモチーフかと。生花なら儚げな印象もありますが、
        衣装としての造花なら決して枯れることのない造られた命と言う一面も?
        命を捧げなくては永遠の地へたどり着けないと考えるのもあり。
 
右手中指の指輪:邪気を払う意味をもつ位置。エレオノーラ...お前...(笑)
        よく見ると指輪と同じデザインのイヤリングも。このデザインは何?
 
左手の網手袋 :よく見ると薔薇のデザイン。黒薔薇の花言葉「貴方はあくまで私のもの」
        「決して滅びることのない愛、永遠の愛」。良い感じに重いです(笑)

 
衣装カラー  :通常色が白(or黒)+裏地に赤。アナザーでは赤+裏地に紫。
        胸の薔薇も赤→白になるようです。
        通常色エレオノーラはノエルを最期まで殺せず、アナザーはノエルを
        殺して返り血を浴びた分岐後の世界という説も面白いと感じました。
 
コルセット  :正面から両側を通って裏側へ垂れるようなベルト付き。帯剣用?
        その下に左側面へ斜めへ垂れるベルトが剣を挿す用か?
 
ブーツ    :ロングブーツ+薔薇柄のタイツ。手袋と同じデザイン。
        やはり愛が重そう。