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「チ。 -地球の運動について-」第7集を読んだ

「チ。 -地球の運動について-」第7集、本日発売!

 

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www.shogakukan.co.jp

 

遂に来ました「チ。」第7集。単行本派の自分は発売日を待ち遠しく過ごしていたので嬉しい限り。作者の魚豊先生は前作「ひゃくえむ。」の頃からのファンですが、この人は間違いなく見えている世界が違う変人の類です(褒め言葉)。

 

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実を言うと「チ。」も「ひゃくえむ。」も読み物として決して親切な作りだとは言えません。もちろん読み手の感性によるとは思うのですが、癖の強いキャラクターが1巻ごとに総入れ替えレベル入り乱れ、どのキャラクターも一見して何考えているのか分かり辛くてとっつきにくい印象は拭えません。線も荒くキラキラSNS映えとは程遠い世界の作品と言っていいでしょう。ならば伏線を散りばめた推理が熱いかと言われればそんなことは無く、頭を空っぽにして読み始めた方が良いとさえ思います。

 

では何が魅力なのか?

一言で言ってしまえばそれは「」です。

 

十人十色とはよく言ったもので、両作品に登場する多くのキャラクター達は異なる立場から実にバラバラな主張を投げかけてきます。個々の事情を鑑みれば彼らの主張は妥当なように見えるものの、実際のところ大局を見据えず刹那的で自己中心的な意見ばかり。ちょっと冷静になってしまえば「いやいや、それはおかしいだろう」となったりもします。

にも関わらず読み進める手が止まらない。それどころか冷静に考えれば有り得ないような主張にも思わず「行け!」と叫んで背中を押したくなるような衝動が抑えられない。これを「」と呼ばずして何が「」か?

魚豊先生の作品は「」を何にも変換せずに「」として出力するような不思議な魅力に溢れているのです。

 

前作「ひゃくえむ。」では100m短距離走に魅せられた人間達の狂気と情熱が、本作「チ。-地球の運動について-」では地動説を巡る人々の信念、信仰、未練と執着が、文字通り命を削るような超高密度で描かれているのが特徴です。特に本作「チ。」では小難しい物理用語や哲学用語が入り乱れますが、あれは全て己の「」に気づけないでいる、もしくは、頭では否定したがっている登場人物たちの言い訳くらいに捉えてしまっても差し支えないかと。

神とも真理とも呼ばれるその座に就くモノに対し、永くない有限の時間を生きる人間達が各々の大義をもって挑む姿をありのままに描き出したのが本作の魅力だと感じています。

 

遂に物語は最終盤。1巻から主人公たちを拷問にかけ続けてきた異端審問官ノヴァクも大切な者を真の意味で失い最終決戦といったところでしょうか?最終集は6月30日発売予定。今から待ち遠しいですね!

 

「ひゃくえむ。」の新装版も上下巻編成に変わって本日同時発売。

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第1話試し読みはこちら↓

pocket.shonenmagazine.com

 

 

ではでは