【さよならごつこ】を読み終えました
凛世!!!!!!!
凛世ぇぇぇっっっっ!!!!!!!
ぜぇはぁ、、、
凛世とはガシャの相性がイマイチよくないらしく、過去に天井芸もしているのでギリギリでも無償石の範囲内で引けてよかった~~~
↑ 【われにかえれ】天井芸の産物
同時実装の恋鐘は今の所引けていません。恋鐘とは今までガシャの相性が抜群に良かったので錆びついた運命の歯車のギアが変わっちゃったのかも...⚙
さてちょっと落ち着きまして、コミュ本編の感想など。
※※※ 以下【さよならごつこ】のネタバレを含みます ※※※
◎コミュ1「君離る」
事務所のある都内から凛世の故郷(鳥取)へ帰省する車内にて、凛世の特有の風景描写に加え、とある日の回想からコミュが始まります。
凛世の一人称視点による風景描写は海外文学小説っぽさありますよね。シャニマス自体はサウンドノベルゲームの体裁をとっているので、やろうと思えばSEや背景イラスト、場合によってはムービーとして情景を映してしまう方法も有るはずですが、凛世が観たもの・感じた事を丁寧に紬あげて文字に書き起こしている文体が美しいと感じます。そこに在る光景を1つ1つ言葉にしていくのは容易ではなく、天気・季節・色・温湿度・動植物に至るまで様々な名を知り、使い分けられる博識な凛世ならではの芸当ともいえます。このカードコミュはそんな凛世を育てた杜野の家の様子が垣間見える話としても貴重。
↑ 「きいい......ごとんごとん......」こういう凛世の擬音表現大好きでござる
回想では年末仕事納めの日にPと交わした、時間にすれば短いはずの会話を繰り返し思い返すシーンから。仕事納めとなった凛世は年末年始に故郷へ帰省するため、明後日の朝には発つと言う。可能な限り長い休みを取らせてあげたいP、Pと離れる時間がなんと長いことかと嘆く凛世。「何か力になれるようなことがあったら、いつでも連絡してくれ」と言い残してすれ違う様は凛世コミュの恒例行事。シャニPは多重人格者なので凛世の前では鈍感な朴念仁です()
途中3択の分岐がありますが、どの選択肢も味わい深いのでぜひ全択読んで欲しいところ。車内アナウンスが故郷の最寄り駅へ直につく事を知らせながら回想が終わるシーンでこのコミュは幕を下ろします。
◎コミュ2「南天」
地元の駅に着きタクシーに乗り換えるシーンから再開。大欅の先にあるという杜野邸。お、東京競馬場第4コーナーかな? サイレンススズカさんが故障しそう()
タクシーに乗った後はすぐに年内のある日を思い返す回想シーンへ。
凛世と町中を歩くPは赤い木の実がなっているのをみつける。南天の実だ。
凛世は冬の高く青い空と赤い南天が呼び交わしているようだと言う。
空は「お前は美しい」と、南天は「あなたは遠い」と。
一度回想から戻るとタクシーは杜野家付近に着いたようで、降り立った故郷の地にもPと共に見た南天の実をみつける。凛世は一言「遠くに来てしまった」とつぶやく。
「同じ月を見ているだろうか」といった表現に似ていますが、ありふれた植物でありながらPは名前を知らなかった南天が共通の秘密のようにも描かれる部分が良いですね。
再び先ほどの回想シーンへ戻り、仕事先で真っ赤なパッケージのチョコレートをもらったとPが言う。Pからもらった大切なチョコは食べてしまえば無くなってしまう。だからこそ食べてしまうのが惜しまれる。ここでも3択の選択肢が発生しますが、やはり全て読んで欲しい!
このシーンを思い出しつつ、いくつかの言葉をつぶやいて幕を閉じる。ココ前の選択肢で全部言葉が変わります。どれも心揺さぶるものなのでぜひ全択読んで...。
十二月短篇でも描かれたように、色と記憶が紐づくのが凛世コミュの特徴でしょうか?このあたりも様々な色の名前・表現を使い分けられる凛世らしいですね。
◎コミュ3「遠きにて」
時間は少し進んで大晦日。凛世と凛世の姉夫婦が地元の祭りに来ているシーンから再開。みんな大好き凛世の姉さまだ!(主語がデカい)
凛世の姉さまと言えばsSSR【夜明けの晩に】で初登場、最近ではLP編でもガッツリ描かれるなど凛世の生い立ちに迫る際に重要な人物の1人。【夜明けの晩に】は恒常カードなので、無料10連などで入手した方はぜひとも読んで欲しい1枚。カードイラストの美麗さも相まって僕は号泣しました。。。
【夜明けの晩に】では凛世が8歳の時に年の離れた姉が遠方へ嫁いだと語られる。現在の凛世が16歳なので8年前でしょうか。姉さまが何歳の時に嫁いだかは分かりませんが、最低でも10歳以上年の離れた姉と思われます。姉さま大好きロリンゼちゃん可愛いねぇ...()
凛世自身が杜野の家は「古い家系」と言っている様に、舞踊や唄・三味線などの修練に励む姉さまの過去がLP編にて語られたりもしています。凛世の実家は呉服屋らしいですが、和の芸事は嗜みとして一通り仕込まれているのかもしれません。
そんな姉夫婦も年末年始で帰省していたのでしょう。凛世から誘う形で祭りに出向きはしたものの、今頃Pは何をしているのだろうかと気になり心ここにあらずといった感じ。ちなみにPは事務所の備品買出し中。時計の針は23時46分を指している。Pよ、年末くらい休んでくれ...。
そんな凛世に対し「置いて言っちゃおう」と茶化す姉さま。凛世と比べると言葉遣いも砕けた感じですね。好感度特大up!そして「姉の夫」、義兄にあたる人物も初登場。久々にりんご飴が食べたいと言う姉、口が真っ赤になるぞと返す夫、イチャイチャを魅せつけられる凛世。りんご飴の赤い色からPと見た南天の赤を思い出すと、Pを想っていても立ってもいられず「すぐに戻る」とだけ伝えて凛世は2人から離れて駆け出す。
「ご迷惑...でしょうか...お声を...聞きたいと...願うのは...」
和の装いや芸事を嗜む杜野の家。マンガすら読むことの許されなかった杜野の家。そんな厳しい家で育った凛世にとって、大晦日の真夜中に電話をかけるなど非常識と非難されるべき行為だったのかもしれない。それでも、それでも声が聞きたい。そう願って凛世は遂に電話を手に取る。
「10回鳴らして、そこまで」
電話の呼び出し音は1コール3秒周期、10回鳴らすならば最大30秒。これが勇気を振り絞って我儘を通し、己を許せる限界ライン。唯一すがれる言い訳は「何か力になれるようなことがあったら、いつでも連絡してくれ」というPの言葉のみ。
4回、5回、コール音は続いていく。Pには繋がらない。
7回、8回、コール音は続きPにはまだ繋がらない。
9回、淡い期待とは裏腹にPには全く繋がらない。
「なんと...遠い...」
10回、無情にも己の決めた許容ラインは訪れた。
これ以上は体に染み付いた躾が許さない。そもそも凛世のアイドル活動はデビュー当初から家に反対されていた。それでもWING編を通して実績と信頼を勝ち取り、今では家からも応援されている。都会での生活はあらゆることを一変させた。家では禁止されていたマンガを智代子と共有し、ギリギリ義理などと使った事のない言葉を使ってみたくなり、わるわるになったりもする「をとめ」シリーズ。
これまで自分を作り上げていたものに直面し、殻を破り、何度も成長してきた。それでも今まさに越えられない壁に直面している。未成年の子供にとって親や家庭環境は絶対的な力があり、ある面では呪縛と呼べるほどの強制力を身に刻むことも少なくはない。杜野の家は決して悪い家庭環境では無かっただろうが、「正しく有れ」「美しく有れ」という厳しい「躾」(LP編では「型」とも「プライド」ども訳された)が凛世を縛る。たったの30秒、それでも凛世にとっては許され難い30秒、それでも答えてくれない30秒のコール音が今鳴り終わる。
諦めたその瞬間、突然コール音は鳴り終えた。
優勝!!!!!!
凛世が振り絞った勇気の30秒は叶った!
電話と言えども時代はスマホでビデオ通話。繋がった瞬間の弾けるような満面の笑み。それに気づいたのか恥じらい目線をそらしてしまうも、再びカメラの先にあるPを見つめる凛世。
通話が終わった後だろうか。たった一言、柔らかな口調で凛世はつぶやく。
「遠い...」
◎コミュ4「常盤」
感動のコミュ3からやや時が進み舞台は新年、杜野の家にて東京へと戻る際の荷造りシーンから再開。
実家帰省あるあるだけど、帰り際にやたら色んなものを持たせてくれる。郵送してくれるのはありがたいですね。これだけたくさんあると手荷物ってレベルではない。母の優しさを感じます。
荷物の確認を進めていくと、母からの物とは別に姉からも1つ贈り物があることに気づいた所で回想シーンへ。
時系列的にはコミュ2「南天」の前日、Pは凛世に「明日の打ち合わせと次の現場で少し時間があるが、どこかで昼食でもとるか?」と提案する。この提案に凛世は大喜び。静止画だと伝えられませんが、下の場面でずいっと身を前に乗り出すモーションがどうしようもなく愛おしい!
自室に戻ってからの凛世は大忙し。
「紺...萌黄...海老茶...」「櫛...シュシュ...かんざし...」
凛世にとっては好意を向けるPから昼食のお誘い=デートのお誘いだ。何を着ていこうかと思案する姿は乙女そのもの。そして、最後にこれだと選んだのは紅のかんざし。準備はばっちり、いざ出発と寮を出ようとした凛世の耳に飛び込んできたのはTVの占いコーナー「てんびん座のラッキーアイテムは緑!」。
「赤...青...緑...これがあれば美しかったのに...」
そうこぼす凛世の手には鮮やかな常盤色の髪留めが1つ。姉からのメッセージを添えた贈り物だった。
『常盤の髪留め。使ってください。 デート用だったの』
↑ いじわる姉さま~~~
遅きに失したとも呟く凛世。それもそのはず、回想シーンに出て来るPとの昼食会は年末に過ごした過去の話だった。再び回想にて語られるのはコミュ2「南天」へと繋がるシーン。Pが昼食処に選んだのは静かな一軒家のお店だと言うが、どうも道に迷って歩き回っているようだ。そんな状況でも隣を歩ける時間が嬉しいと凛世は言う。
姉さまは妹の変化に気づいていたのだ。自分と同じ厳しい家で育てられ、常に己を律するよう努めていた凛世が上の空になった祭りの夜。もしかしたら姉さま自身にも覚えがあった事なのかもしれません。恋する乙女となった大切な妹へ贈るちょっと意地悪なプレゼント。幼いころに遠くへ嫁いでしまい、距離的にも時間的にも離れてしまった姉は今でもしっかり妹を見守っている。そんな温かさが染み渡りますね...。
◎True End「我に帰れ」
舞台は故郷を離れる直前、ホームまで見送りに来た母との会話から再開。厳格なイメージのつきまとう母の言葉にも娘を思いやる一言が。
電車に乗った後も姉や兄からの連絡が次々に入ってくる。凛世を正しく美しい大和撫子に育て上げた厳しい実家ではあったものの、1度離れてみれば温かく見守り続けてくれている。アイドルとして、恋する乙女として「躾」の殻を破り始めた少女、杜野凛世の帰れる場所。踏み出した先に帰って来てもいい場所に気付けたことは、今後の凛世にとって大きな財産となるでしょう。
故郷を離れ電車は事務所のある都内へと向かっていく。
冒頭でも触れたとおり、凛世コミュの情景描写は言葉選びが美しいですね。杜野家の描写があったTrue Endのタイミングで出て来ると、凛世が身に着けてきた教養や躾に基づく美しさが言葉選びに現れていると実感させられます。
山々が覗いていた車窓の風景はいくつものトンネルを越え、田園地帯、小さな町、大きな街を過ぎ去りPが待つ駅のホームへと近づいていく。Pは街中の門松についている南天を見て凛世との会話を思い出す。かつて空に向かって「あなたは遠い」と呼び交わした南天は、凛世の故郷にもPの身近な所にも常に在った。1度の帰郷から帰ってきた凛世は今でも「あなたは遠い」と思うのだろうか?
「貴方さまのおかえりから新しい年が始まる」
この言葉と顔を見れば答えは自明だ。
おわりに
あぁ美しい作品だった...。
凛世コミュはよく「単品でアニメ化しろ!」という声も上がるほどにきっちりまとまったお話が多い印象です。この記事の終わりにいくつかのカードを紹介したいと思います。(内容にはほどんど触れませんが)
杜野凛世傑作集の第1候補としてよく挙げられるのが【水色感情】
名作映画の風格がある。感情になった...。
杜野は自慢の...
最初に凛世コミュへ惚れ込んだ一品、【ふらここのうた】(チケット交換で入手可)
天が落ちて来るような...天へと落ちていくような...
あとひとつ...もうひとつ...ブランコが歌う...
こちらはサポートコミュ【夜明けの晩に】
かごめかごめ、そら豆、姉さま...
キャンバスアートとして商品化されたりもした美麗イラストにも注目。
同じくサポートコミュから【凛世夕町物語】
「急行はよく分からないので各駅停車に乗ります」が出て来るお話。
ちなみに今回の【さよならごつこ】では新幹線の乗り換えもできるようになった。
こちらは期間限定カードですが外せない【十二月短篇】
お前!P!そういう所やぞ!!!True Endまでしっかり読んでくださいね。
カルメン...
これをメインコミュで出してくるのがシャニマス君だよ凛世GRAD
『あ』だけが残された人間の少女α、『あ』だけが与えられないAI少女のβ。
『あ』だけで紡がれる少女αの怪演に惹きこまれろ!
こんなところでしょうか?厳選して全部読めと言いたい所ですが、少しでも気になる物がありコミュを開けていただければ幸いです。
ではでは