4画面の雑記帳

思ったことをつらつら書いてく雑記帳

「ウマ娘 シンデレラグレイ」7・8巻を読んだ

激熱展開で涙してる。

 

www.shueisha.co.jp

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シンデレラグレイの7巻、8巻を読みました。実はそれぞれ発売日当日に読んでいたものの、文字に起こす機会を失って今に至ってしまいました。しかし話の展開としてはオグリキャップタマモクロスのライバル対決に決着がつく8巻末はタイミングとしてよかったのかもしれません。

6巻感想はこちら↓

4gamen-blog.hatenablog.com

 

7巻はジャパンカップのクライマックスから開始。ラスト20mに迫った最終局面で先頭争いを繰り広げるのはオベイユアマスター、タマモクロスオグリキャップの3人。前2人が領域に入る中、オグリは自分に足りない "何か" に直面します。2人が掲げたその "何か" とは自分を証明するという強い意志。

"Eclipse first, the rest nowhere"『唯一抜きん出て並ぶ者なし』。

これは中央トレセン学園が掲げるスクールモットーという設定ではあるものの、国際試合であるジャパンカップでも共通認識となっているようにウマ娘世界の根幹を成す概念とも言えるでしょう。「我々の目指すべきは常に頂点だ」とシンボリルドルフは言いますが、そこに至る道はウマ娘の数だけあって良いと僕は思います。そしてそこへ至る道の1つが自分を証明するという強い意志なんだと解釈しました。

証明するべき自分を見いだせていないオグリはこのレース3着で敗北。勝者は徹底的な分析を重ねてタマモクロスに挑んだオベイユアマスター!いいねー、天才を研究と鍛錬の積み重ねで凌ぐ狂気すら感じる姿には拍手喝采。我こういう展開大好きでござる!

しかし対戦後の会話ではオベイの「また走ってくれるか?」との問いにタマは「機会があったらな」と返事の歯切れはよくありません。それもそのはず、次に出走する有馬記念をもって引退する決意をタマモクロスは決めているのでした。

というか、ここまで来て単行本半分しか進んでないって相変わらずの情報圧縮力ですねー。マンガがうめぇ...。

 

ここから有馬のレース前までは怒涛の展開。六平や北原、カサマツの戦友達はもちろんのこと、どんな相手からでも今自分にできることを学んでオグリの勝利へつなげるベルノの姿勢には目頭が熱くなります。まだそちら側にいて良いと言われて笑みを隠し切れないベルノライトちゃんは可愛いですね^^

そんな努力家だからこそ相対する立場からでも塩を送りたくなってしまうのだと思います。それほどの執念を見せるのはターフに立つオグリキャップも同じことで、当日同レースに出走予定のディクタストライカも部分的ではありますが領域を掴むヒントを与えてくれました。お前心の底からいいやつだな(笑)

そんなこんなもあって裏方達の物語は7巻でひとまず終了。8巻を丸々使ってレース本番当日の話へと突入します。

 

常に先を行き早くて強い、自分の目標だったタマモクロスとの決別。「勝つのは私だ!!目標にするのももうやめだ!今日ここで君を超える!!」と強く宣言しての宣戦布告から始まる第8巻は早々から激熱展開!「勝つのは私だ!」のシーン、本編で採用されたものとは左右反対の構図がカバー下でみれるの良いですね~。こういう視点違いで魅せ方が大きく変わってくるマンガと言う媒体が僕は大好きです。

話がそれましたが12月25日中山レース場GⅠ有馬記念はいよいよレーススタート。序盤から距離的には折り返しとなる向こう正面まではオグリとクリークが中団に控え、最後方にディクタとタマモクロスが並ぶ展開。スタート時の怪我によりディクタには出血がみられる模様。互いに様子見をしあうゆったりとしたレース展開に対し最強タマモクロスは「ヌルいなぁ」とただ一言。領域を完全にものにした白い稲妻は一気に加速。標的はもちろんオグリキャップ。10秒で十分や、というセリフ回しがまた痺れる。

 

タマの領域に触発される形で勝負を仕掛けたのは体力と知力で戦うスーパークリーク、最後の直線に解放される驚異的な末脚 ”弾丸シュート” に自信を持つディクタストライカ。最強、弾丸、ステイヤーの3者に追われて激しいプレッシャーを受けるオグリは体力の限界を迎えてしまう。最後とばかりに仕掛けるタマモクロスに対しオグリの脳裏をよぎるのは生まれ育ち、カサマツから中央へ移籍してきた日々。「立って歩く」それだけでも奇跡だったはずの自分自身に見出した己が走る意味戦うべき相手。真に戦うべきは他の誰でも無いオグリ自身だった。

 

だって私は...走る為に生まれてきたのだから!

 

灰の怪物(GRAY PHANTOM)

 

ラスト100mに至って領域に覚醒したオグリはタマモクロスと火を噴くようなデッドヒートを繰り広げ、8巻表紙に描かれた激戦の様相。出血からか動いてくれないディクタの末脚、体力は残っているものの未だ領域にいたらないクリークは振り落とされ勝負の行方は完全に2人に委ねられる形となりました。

幼い頃から並んで競い合っていたかもしれない if の世界線。この先も永くライバルとして競い合っていたかもしれない if の世界線。有り得たかもしれない数多の可能性をゴールまでに残されたわずかな距離が残酷に否定する現実。そんな局面にありながら走る楽しさを見出さずにはいられない2人。

物語の構成が美しすぎるよなぁ…。

どちらが勝ってもおかしくなかった勝負の軍配はオグリキャップに上がりました。レース直前に目標にするのはやめると宣戦布告をしたオグリはレース後にこれを撤回、タマモクロスはこれからもずっと目標であり宿敵だと宣言します。それはタマモクロスからしても同じで、かたく抱擁し合ってレースに幕を降ろすのでした。

稲妻は去ったが止まりかけていた時代を彼女たちは確実に動かした。

 

第二章 白い稲妻篇 完

 

 

もう領域に入るまでの流れと領域入ったところの見開きからの展開が激熱すぎて、読み進めながら震えましたね。電車の中でマンガ読みながら涙する不審者おじさんムーブ決めてしまいましたよ。シンデレラグレイは外で読んじゃダメなタイプ()

あくまで主人公はターフに立つオグリやタマなどのウマ娘でありながら、その裏で多くの人々が支える様子が丁寧に描かれ、また、多くの人々を魅了する様は読んでいて叫びたくなるくらいには十分な熱量がありました。サポート側や記者などの裏方を描くマンガはいいぞ!

 

次の第9巻からは第三章「永世三強篇」に突入とのこと。発売予定日は12月。また生きる理由が増えてしまったなぁ。今後の展開も楽しみです。

 

ではでは